ベクトル談義(10)

ベクトルの問題が解けない、理解できない、という人へ向けたベクトル談義第十回

できれば問題解けるよ。って人にも見てほしい。

第一回
第九回
第十一回
前回のおさらい〜……は閑話休題なのでパスしますね〜。


さてはて、ベクトル同士で掛け算する場合、ベクトルの「方向」が問題であると話したかと思います。
ベクトルの長さだけを考えて、長さ同士をかけるのは簡単ですが、方向をかける、というと
マテカ「どうやってやるの?」
って思っちゃうわけです。

じゃあ、まずは数字だけで考えてみない? というわけです。
でも、いきなりベクトルでやるのは難しいですので、まずは普通の数字を使って計算しましょう。
マテカ「そんなもんできるわ」

なんて思ってる人もいるかもしれませんがまあ、ここは一つ騙されたつもりでやってください。3と6を掛けてみましょう。

3×6=18
まあ、普通はコレで終わりですよねwww
流石にコレでは捻りも何もないので、皆さんなつかし(?)の数直線を使ってこの式を表してみましょう。

こうなります。
数直線の上に点を書いただけですね。
これがもしベクトルの計算だったら、随分と楽だと思いませんか?

さて、ベクトルとは「ある点」から「目的」にむかって進む矢印でしたね。
そこで、今数直線上に描いてある「点」を目的地として「矢印」を描いて見ましょうか。
ベクトルのスタート地点は……まあ、0で良いでしょう。

こんな感じになりました。

ん?
ベクトルの「方向」が一切変わっていませんね。

実は数直線の上では、ベクトルの「方向」はそのまま「数値の正負の符号」と対応しているので、ただの数と同じように扱えるようになります。

右方向へ進む矢印は「プラスの数」として、左方向に進む矢印は、「マイナスの数」となります。ですから、

さっきの掛け算も、計算が出来るような気がしてきますよね。

ん? 「矢印」じゃなくなっている。って?
ベクトル同士をかけたはずなのに、答えが矢印で書かれていない?
数直線の上では、「ベクトル」が「数字」になってしまって、「方向」がなくなってしまうんです。
さっきの図に書いてあった「矢印」は数字そのものを表しているので、「矢印」ではなく「数字」としても扱えてしまうんです。
この『方向消失事件』は、実は「内積」の上でも同じことが起きてしまうんです。
まあ、それは後ほど。


じつは今回の「数直線上でベクトルと数値を同時に考える」という考え方は、他の方のを参考にさせていただいています。とはいえ、あちらは「内積の計算」が出来る上での説明ですので、サイトw探すのは自己責任でお願いします。まったく分からない人が見た場合、混乱するかもしれないので。

と、少し話がそれてしまいましたが、今回はコレで終了です。
え? まだ何もしてないって? 数字の掛け算しかしてない?
残りは次回になります。