ベクトル談義(16)

ベクトルの問題が解けない、理解できない、という人へ向けたベクトル談義第十六回

できれば問題解けるよ。って人にも見てほしい。

第一回
第十五回
第十七回

では前回のおさらい。

色々な点の場所を示すには、

基準になる点を用意して、そこから矢印(位置ベクトル)を引きましょう、とな。


そして今回ですが、これ(↓)をベクトルで表そうと思います。

そう、「点」の次は「線」という訳です。
ですが、これまでに言ったとおり、「ベクトル」は「ある場所から、目的地を示す矢印」でしかありません。

ですから、ただ「線を指し示す」だけのベクトルであれば、

このようにいろいろな矢印で示すことができます。

もちろん、このままではいけません。

この矢印が指し示す「線」というのがいくつも考えられるからです。


ここで、少し学校で聞いた(かもしれない)話を、一つ思い出してください。
「直線は、点の集まりである」
というやつです。

点を細かくうっていけば、直線になってしまうというのが、わかるでしょうか。

このように「線=点の集まり」と考えると、先程の矢印は「線のなかの一つの点」を示していた。というように考えられます。

さっき「線を示す矢印」に対していくつもの「線」がかけてしまったのも、「この点が含まれる線」がたくさんあったためです。

なので、「線」をベクトルで示すことはできません。


というのは半分冗談で、
「一つのベクトル」で、「線」を示すことはとても無理があります。
「一つでダメなら二つやー!」

というわけで、今度は「二つ」のベクトルで先程の線を示してみます。

これなら他の線を考えてみても、どちらかのベクトルから外れてしまうのでわかりますね。


そんなこんなで今回はここまで。次回もまた「線」について話そうかと思います。



PS.
「曲線なら二つでも線が沢山考えられるよね」
と考えた人、あなたはすごい。
ごめんね、本当は「直線」って書かなきゃいけないんだけどさ……