ベクトル談義(11)

まー。なんというか、お盆やら卒研発表練習やらで間が飽きましたが、始めましょう。

ベクトルの問題が解けない、理解できない、という人へ向けたベクトル談義第十一回

できれば問題解けるよ。って人にも見てほしい。

第一回
第十回
第十二回
それでは前回のおさらい。

数直線の上では、ベクトルの方向はそのまま「数直線上の数値のプラスマイナス」に変換できるので、

同じ方向の二つのベクトルなら、数直線上の数字として普通に掛け算ができそう。


ですが(当然のことながら)、掛け算(内積)を取りたい二つのベクトルが「同じ方向をむいている」なんてことはそうそうないわけです。
ですから今回の目的は、

これをどうやってやるか、と言うお話です。

もちろん、上記の図の矢印二つは方向が違うので、同じ数直線の上では表せません。

もちろん、このようにベクトルに沿って数直線を書いたところで、
「数直線の向き違うしどうすればいいの?」
となってしまいます。


そこで、思い出していただきたいのが第五回で出てきたこの図です。

これは、ベクトルの足し算の考えから、ベクトルを「縦方向のベクトル」と「横方向のベクトル」に分けたものです。
先程の内積をしたかった二つのベクトルをそれぞれ縦と横に分けてみると……


こうなります。ここで見ていただきたいのが、「同じ色の矢印」です。
ちょっと同じ色同士で取り出して見てみましょう。


同じ色の矢印同士は、「同じ方向」もしくは「真逆の方向」を向いています。つまり、前回出てきたような「同じ数直線上」であらわすことができるベクトル同士になっていますね。

これなら、「ベクトルを数値として」計算ができますよね。
でも、ひとつ忘れてはいけません。
二つずつのベクトルに分けて計算したということは、「計算した答え」も、「二つ」になるということです。

ところが、普通掛け算をして答えが二つでる。なんてことはありえませんよね。
もちろん、ベクトルの掛け算(内積)で、だされる答えは「ひとつの数字」です。

ということは、この二つの数字を、なんとかしてひとつにしなければいけない、ということになります。
その辺は次回、話そうかと思います。


それでは