ベクトル談義(4)

ベクトルの問題が解けない、理解できない、という人へ向けたベクトル談義第四回

できれば問題解けるよ。って人にも見てほしい。

第一回
第三回
第五回

第三回から間が開いてしまったけど四回目。
今回は、第三回の考えを使って、第二回で出てきたコレを説明します。

〜(おさらい)〜
前回のベクトルの足し算の考え方では、「最終的な始点と終点が同じならベクトルとして同じもの」でした。

家から出て最後に遊園地につけるなら、途中でコンビニによってもよらなくても一緒だと言うことでした。


今回はこれを、(おなじみ?)UFOゲームで同じことを表してみます。

まず、UFOゲームにおける「始点・出発点」は、クレーンが最初にいる位置になることが分かりますね。そして「終点・目的地」は、欲しい景品のある場所になります。

そのため、図のように矢印がかけますね。
このとき、景品を取るにはどうすれば良いでしょうか?

そう、まず①のボタンを押して横方向に移動しますね。

そして②のボタンを押して上に移動し、景品のところまで行きます。

第三回のように全ての矢印を描けば、

こうなりますよね。
UFOキャッチャーは景品を取ることが目的なわけですから、なんとしてでもクレーンを目的の位置まで動かしたい、そう考えるのは普通だと思います。
クレーンの動く距離は、ボタンを押している長さで決まるわけですから、何秒押したら景品にたどり着けるかが分かれば、景品は取れるわけです。

そこで、景品が取れるときのボタンを押した長さをさっきの図に書いてみましょう。
今回は①のボタンを3秒、②を2秒押したことにします。

さて、ここで思い出していただきたいのが最初の図。

実はこの図に先ほどのクレーンを重ねると……

とどのつまり、第二回で無視してくださいと言っていた (3,2) という数字は、UFOキャッチャーで言うところの「横、縦に動いた秒数」だったわけです。

この「縦、横に動いた量」を、数学では「X座標」、「Y座標」と言います。簡単に言えば、X(横)・Y(縦)方向にどれだけ動いたか、ということを表しているわけです。

つまり、さっきの矢印の(3,2)は「X(横)方向に3(秒間)移動して、Y(縦)方向に2(秒間)動く」というベクトルだったといえます。

ここまでの話を、数学として表現するとこうなります。

ただし、本質としては先ほどのUFOゲームの話となんら変わりはないので、ここまでの話が分かった人は、X,Yの値はボタンを押した長さと一緒だと思っていただいてかまわないと思います。

というわけで、ベクトルの足し算からベクトルの座標の考え方を適当に説明したところで、第四回は終了です。